ここは跡地です
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手筋の一着
息子は、米長永世棋聖ばりに初手角頭歩を突く。
もちろん、わかってやってるわけじゃない。人がやってるのを見て、多分、飛車先の歩を突くのを見て、マネしてるつもりなんだろうと思う。
駒の並べ方、動き方がわかっても将棋が指せるわけではない。ちゃんと指すには、その局面で有効な手=手筋がわからないと指せない。将棋の局面の数は星の数より多いらしいが、決まり切った形というものは存在する。この形の時はこう指すもんだと広く知られている指し手がある。定跡というやつだ。定跡形なら、考える必要はない。脊髄反射で指せる。間違いようがない。普通は定跡形を勉強し、いろいろな局面を経験することで手筋を憶えていく。
定跡形を知っていれば、普通は問題ない。たまに定跡をはずれて、定跡を上回る手を見つける人がいる。定跡は変化していく。しかし、よほど恵まれた才能がなければ、定跡を上回る手を指すことはできない。定跡を外れれば、ほとんどの場合、バカにされる結果になるだろう。
ところで、これらは将棋に限ったものではなく、設計とかプログラミングとか、広く知的作業に共通したものだろう。
そのプログラミング言語の文法やファンクションを知っているだけでは、その言語で効率的なプログラムを書くことはできないだろう。
英会話なんか典型的だ。日本人は受験英語で文法知識と単語量はすさまじいが、その知識が現実の局面と結びつかないので会話ができない。オレ自身の経験からいくつも例を挙げられる。例えば、職場で突然誕生パーティが始まって、初対面のその同僚にお祝いを言わないとと焦ったオレは、Congratulation!と握手をした。おめでとうはあってるんだけど、定跡形はHappy Birthdayであることに気がついた。局面が見えていれば絶対に間違わないフレーズだ。子供でも知ってることをわざわざ難しい方に間違えてしまうのが、いかにも初心者らしい。
若い子の設計の手が止まっているのは、CADの操作がわからないからってことは滅多にない。ほとんどの場合、その局面でどう指せばいいのかわからないのだ。無駄に3Dをくるくる回すことに時間を費やす。下手の考え休むに似たり。
ベテラン設計者は、その局面を何度も経験している、あるいは、その上に痛い目にあったことを覚えている。なので、すぐに指し手が2,3浮かぶ。コンピュータ将棋のように可能性のある手を片っ端から考えていくことはしない。
若い設計者が定跡を覚えていくには経験を重ねるしかない。経験の伴わない知識には、いつでも初手角頭歩を突く危うさが伴っている。
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